耳鳴り・食いしばり

耳鳴り・食いしばり R7.12.8 40代 女性

1.現病歴

 

2年前より耳鳴りを繰り返すようになり、今週に入り特に症状の悪化を自覚。併せて食いしばりも強くなった。医療機関を受診し、メチコバールを処方され服用していたが十分な改善を感じられず、当院を受診。

 

2.生活背景

問診にて、デスクワーク中心の業務で長時間同じ姿勢を続けていること、仕事中は常に緊張状態で過ごしていることが判明。帰宅後も家事・育児に追われ、十分に休まる時間が取れず、慢性的なストレスが蓄積している状態であった。既往歴に特記すべき疾患はなく、全身状態や体力面からみても、適切な施術により回復が期待できると判断。

3.初診時所見

腹診・脈診・火穴・局所診などにより軽度の肝実傾向を認めるが、東洋医学的失調よりも

  • 筋緊張
  • 頸椎・脊椎の可動性低下
  • 脳疲労
    といった構造的・機能的負担の影響が強いと観察。

4.施術方針

自律神経の過緊張を緩和し、頸部・顎・脊柱の緊張を整えることで、耳鳴りと咬筋過緊張の改善を図る。

5.施術内容

【第1回施術】

  • 肝実に対して:太衝・百会・背部5-1K
  • 頸部・顎周囲:下関・天牖・側頭筋にパルス通電
  • 仰臥・伏臥にて脊柱全体へ置鍼施術

背部筋肉は全体的に強い緊張を示しており、一般的なマッサージや温熱では変化しにくい状態。可動刺激ではなく置鍼による持続刺激を選択し、脊柱を中心に多めに配鍼した。

施術後、患者より「少し楽になった気がする」との反応あり。初回は過度な刺激を避け、経過観察とした。

 

【第2回施術】

3週間後に再来院。
初回施術翌日はだるさを感じたが、3日後から症状は明らかに軽減。その後再び耳鳴りが出始めたため来院。
刺激量を調整しながら、前回同様の施術を実施。施術後、「楽になりました」との言葉あり。

6.考察

 

 

本症例は、過度な緊張状態が続く生活習慣が、筋緊張および自律神経疲労を引き起こし、耳鳴りや咬筋の異常緊張として表出したと考えられる。
頸部・顎・脊柱への鍼灸刺激により、神経緊張の緩和と血流改善が促進され、症状緩和につながった。