両足の足底筋膜炎 R5.10.10 30代女性

両足の足底筋膜炎 R5.10.10 30代女性 

(延長して頂いて左足だけ)

 

主訴

両足の踵から足底にかけて1週間前から張って痛む。病院に行って検査を受け「足底筋膜炎」と診断された。病院で湿布を処方してもらい、教えてもらったストレッチをしていたが改善がみられないとのことで来院された。

 

診察

問診すると造園作業で最近脚立に登ることが多かったとのこと。病院でも言われた「大腿から足にかけての筋肉を、ストレッチでは届かない深部筋を鍼で緩めれば楽になるだろう」と最初は考えた。「これが誤治とまでは言わないが本当の原因は別のさらに別の所にあった」と後で気づくことになる。

 

治療方針

筋疲労に関係する肝径の太衝に接触鍼、他に大腿~下腿の筋硬結がある所に鍼と手技を行った。

 

治療内容

施術後に足底を見たが少し緩んだかなぐらいな感じで痛みが全然取れていない。考えられる原因を探っていくと左右の腰やや外側に蓄積した強い筋緊張が見られた。聞いてみると「腰の張りも以前からあったが足底の痛みの方が気になるので伝えていなかった」とのこと。足底の筋肉を見ながら腰につく筋肉を刺激すると反応が見られたので、腰まわりの筋緊張による骨盤変位が大腿、下腿と移行し足底の筋肉を引っ張る原因と再度考えた。

 

再度、腰の筋肉を触診したが蓄積した緊張がある。この場合今までの経験から「腰の累積した緊張はどこから来ているのかをさらに見ていく必要がある」と考える。筋緊張を追っかけて行くと腕・肩の筋緊張があった、つまり本当の足底筋膜炎の原因はこうである。

 

     造園作業で腕を酷使し続ける

     筋緊張の蓄積が前腕、上腕、肩、背中、腰へと移行する

     腰の張りによる骨盤の変位がある状態で脚立に登り足底に力を入れて作業した結果、無理がかかり発症。

 

 

 

追加による治療内容

上記の理由により前腕、上腕、肩、背中、腰にかけて施術した。足底を触診すると左の足底の痛みは無くなったが、利き腕の良く使う右側の足底に痛みがまだ残っている。右腕からの筋緊張が取れれば改善すると思うがすでに延長をお願いしており次の患者も待っている。病院でも良くならなかったので左足だけでも患者様は喜んで頂いたが、何とも中途半端で今回は終了した。

 

反省

 

最大の反省点はこの患者様は月1位で来るリピーター様で、「普段から腕を酷使しているのを私が知っていたことだ。足底筋膜炎という普段この患者様が言わない症状と病院からのストレッチ指導という言葉にとらわれていた。今後は身体に負担がかかっているのはどこかを真っ先に意識するようにしたい。