右足に力が入らない

右足に力が入らない R7.9.20 80代 男性

 

半年前から右足に力が徐々に入りにくくなってきた。1か月前から症状が強くなり、椅子から立ち上がるのにも苦労する。行きつけのレストランで、ヨタヨタしているのを店主が見て当院を勧められ来院。

 

診察

以前病院で脊柱管狭窄症の手術をしようとしたが、出血がひどくて途中でお医者様が断念したとのこと。椅子からの立ち上がり動作にて右下肢の震えと筋力低下が顕著。歩行時にも右膝周囲に力が伝わりにくく、腰部の可動域制限も認めた。

 

施術方針

腰椎L3L5レベルの狭窄部と考えられる周囲に対し、

  • 神経走行を圧迫する筋緊張の緩和
  • 腰椎可動性の改善
  • 下肢筋力の再活性化
    を目的に鍼灸を行う。高齢で既往症を考慮しつつも神経伝達を改善することで症状緩和を目指す。

 

施術内容

手術婚がある腰3-1Kに地熱灸で多壮灸を行ったあとに、L3~L5腰椎横突起際に左右深刺。腎兪、大腸兪、中殿筋にも鍼+パルス通電。D点や補助として腰と連動する首回り、腰の反りに関係する起立筋などにも鍼や灸を行った。

 

初回施術後、ベッドからの起き上がりおよび立ち上がりがスムーズとなり、膝への力が入りやすくなった。患者は「久しぶりに自分の足で立てた感覚」と喜ばれた。1回の施術を5回継続した結果、歩行の安定性が向上し、椅子からの立ち上がり動作もほぼ問題なく行えるまで改善。現在はメンテナンス目的で間隔を空けて通院中

 

考察

脊柱管狭窄症を背景とする高齢患者は改善が困難なことも多いが、腰椎周囲の動きを取り戻し神経圧迫を軽減することで、施術者も驚くような短期間で明らかな機能回復が得られた。
今後も継続施術と日常生活指導を併用し、再発予防と維持を目指します。